「敬老の日」(今年は19日)を前に、厚生労働省は16日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万526人になったと発表した。9万人を超えるのは初めてで、昨年から4016人増え52年連続増。全体のうち女性が8万161人と88.6%を占めた。男性は1万365人。最高齢は115歳だった。
厚労省の担当者は「医療や介護が充実していることなどが増加の要因だ」とした上で「増加数の伸び率は落ち着きつつある」と説明した。
老人福祉法で「老人の日」と定めた15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。昨年からの増加数は男性が305人、女性は3711人。2022年度中に100歳になる人は4万5141人(前年度比1508人増)だった。
女性の最高齢は大阪府柏原市の巽フサさんで、1907年(明治40年)4月25日生まれの115歳。男性は広島県神石高原町の中村茂さんで、11年(明治44年)1月11日生まれの111歳。
人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は72.13人。都道府県別では島根が10年連続最多で142.41人、次いで高知136.84人、鳥取132.60人の順だった。埼玉が43.62人で最も少なかった。
100歳以上の高齢者は調査を始めた63年が153人で、81年に千人を突破。98年には1万人を超えた。増加傾向は続くとみられる。
厚労省によると、21年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳となり、男女とも10年ぶりに前年を下回った。新型コロナウイルス流行の影響とみられる。〔共同〕
9月16日 日経新聞から