介護離職

本日、福井新聞に、「介護離職ゼロ」の記事が掲載された。
コラムの中にも、その一部が含まれていることをご了承願いたい。

そもそも安倍総理が掲げた今回のアベノミクスの第2ステージとして発表した「新三本の矢」。その一つに掲げたのが「介護離職ゼロ」である。家族の介護を理由に会社を辞める人たちをなくそうという狙いである。

どうも、私には違和感がある。
介護離職ゼロという言葉は、非常に聞こえの良い言葉ではあるが、毎日現場に即して私にとっては、非現実的である。

 少子化に伴い、日本の生産年齢人口が大幅に減少している。労働力の確保は安倍首相が目指す強い経済の達成には不可欠だ。介護離職ゼロと同時に「子育て支援」も推進し、女性の就労促進を図り「1億総活躍社会」の実現を目指す。

 介護で離職する人は年間約10万人とされ、多くは働き盛りの40~50歳代、大半は女性らしい。というのも公的色彩が強く割と低料金の特別養護老人ホームは、特に都市部を中心に52万人のお年寄りが入居を待つ人気ぶり。希望がかなわずやむなく退職する人も多い。

 また「介護休業」を複数回に分けて取得できるようにし、休業中の給付金も賃金の40%から67%に引き上げ。仕事と介護の両立を支援する。

 しかし現場からは施設整備や制度改善よりも「人材不足の解消が先決」という声が聞こえてくる。

 厚生労働省の推計では、団塊の世代が75歳以上になる25年度には253万人の介護職員が必要になる。利用者の増加に対し人材供給が追いつかず、現在のペースでは約38万人が足りなくなるという。

 介護分野に人材が集まらない最大の理由は賃金が低いこと。介護労働安定センターの14年度に行った調査によると、全国の平均月給は約22万円で全産業平均より11万円も少ない。職員の離職率は17%弱で全産業に近づいたが、1年未満では40%と非常に高い。

 今回の政府目標はスローガンが先行し具体性が乏しい。地方自治体は国の介護保険事業計画に基づき、第6期3カ年の施策を本年度スタートさせたばかり。今後の成り行きを注視しているが戸惑いは隠せない。

 子育て支援の保育サービスも介護サービスも日本の重要政策である。ただ課題解決にはもっと詳細な検討が必要だ。いかに人材を確保するか、そのための財源をどう捻出するか…。全力を傾注しなくては看板倒れに終わりかねない。

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